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ドレッシングの話

ドレッシング類の範囲

ドレッシングとドレッシング類の違いを最初にご説明します。

まず、「ドレッシング」とは、食用植物油脂と食酢又はかんきつ類の果汁を主原材料(必須原材料)として、食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製し、水中油滴型に乳化した半固体状若しくは乳化液状の調味料又は分離液状の調味料であって、主としてサラダに使用するものです。

「ドレッシング」は、食品表示法に基づく「食品表示基準」(平成27年内閣府令第10号)で定義されており、大きく3つに分けられます。
1つ目は、「半固体状ドレッシング」といって、固体でも液体でもない一定の粘度(とろみ)をもったものです。
この半固体状ドレッシングは、さらに「マヨネーズ」、「サラダクリーミードレッシング」、「その他の半固体状ドレッシング」の3種類に分けられます。

サラダクリーミードレッシングやその他の半固体状ドレッシングは、見た目はマヨネーズに似ていますが、使用できる原材料や食用植物油脂の重量割合が異なります。
これらは、いわゆるカロリーカットしたものや特定の風味付けをしたもので、マヨネーズタイプ調味料とかマヨネーズ風調味料と呼ばれています。

2つ目は「乳化液状ドレッシング」、3つ目は「分離液状ドレッシング」です。
このドレッシングに、「ドレッシングタイプ調味料」(食用植物油脂を使用していない、いわゆるノンオイルドレッシング)と加工油脂等を使用した「サラダ用調味料」の2つを含めて、「ドレッシング類」と称しています。

【ドレッシング類の範囲】

レッシング類の範囲

ドレッシング類の定義

ドレッシング類の表示に関する公正競争規約
種類 定義
ドレッシング
  1. 食用植物油脂(香味油を除く。以下同じ。)及び食酢若しくはかんきつ類の果汁(以下「必須原材料」という。)に食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調整し、 水中油滴型に乳化した半固体状若しくは乳化液状の調味料、又は分離液状の調味料であって、主としてサラダに使用するもの。
  2. 1.にピクルスの細片等を加えたもの。
  半固体状ドレッシング ドレッシングのうち、粘度が30パスカル・秒以上のものをいう。
   マヨネーズ 半固体ドレッシングのうち、卵黄又は全卵を使用し、かつ、必須原材料、卵黄、卵白、たんぱく加水分解物、食塩、砂糖類、蜂蜜、香辛料、調味料(アミノ酸等)、酸味料及び香辛料抽出物以外の原材料及び添加物を使用していないものであって、原材料及び添加物に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のものをいう。
   サラダクリーミードレッシング 半固体ドレッシングのうち、卵黄及びでん粉又は糊料を使用し、かつ、必須原材料、卵黄、卵白、でん粉(加工でん粉を含む。)、たんぱく加水分解物、食塩、砂糖類、蜂蜜、香辛料、乳化剤、糊料、調味料(アミノ酸等)、 酸味料、着色料及び香辛料抽出物以外の原材料及び添加物を使用していないものであって、原材料及び添加物に占める食用植物油脂の重量の割合が10%以上50%未満のものをいう。
   半固体状ドレッシング(注) マヨネーズ及びサラダクリーミードレッシング以外の半固体状ドレッシング。
  乳化液状ドレッシング ドレッシングのうち、乳化液状のものであって、粘度が30パスカル・秒未満のもの。
  分離液状ドレッシング ドレッシングのうち、分離液状のもの。
ドレッシングタイプ調味料
  1. 食酢又はかんきつ類の果汁に食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製した液状又は半固体状の調味料であって、主としてサラダに使用するもの(食用油脂を原材料として使用していないものに限る。)
  2. 1.にピクルスの細片等を加えたもの。
サラダ用調味料
  1. 食酢又はかんきつ類の果汁に食塩、砂糖類、香辛料、加工油脂等を調製した液状、半固体状又は粉状の調味料であって、主としてサラダに使用するもの。
  2. 1.にピクルスの細片等を加えたもの。

(注)マヨネーズ及びサラダクリーミードレッシング以外の半固体状ドレッシングの名称は、「半固体状ドレッシング」と表示する。

左右にスクロールしてご覧ください。

市販されている種類

代表的なドレッシングを例にあげながら、それらの特徴と最も効果的な使い方をご紹介しましょう。

マヨネーズ

食用植物油脂、卵、醸造酢またはかんきつ類の果汁に、食塩や砂糖類、香辛料、調味料などを加えて乳化させた半固体状のもの。
こくがあり、独特のソフトな口あたりが特徴。

生野菜をはじめ、ゆでた野菜や肉、魚介類などのボイルドサラダに、また、マカロニやフルーツにもよく合います。
ムニエルやフライのソースにも利用できます。

サラダクリーミードレッシング

マヨネーズによく似た低カロリータイプのドレッシング。
マヨネーズと同様に使うことができます。

タルタルソース

マヨネーズなどをベースにし、みじん切りにしたきゅうりのピクルス、ピーマン、玉ねぎなどを混ぜ、香辛料を加えて仕上げたドレッシング。
えびやかきなど魚介類のカクテルやフライによく合います。

フレンチドレッシング

乳化タイプと分離タイプがあります。
食用植物油脂、醸造酢またはかんきつ類の果汁にこしょうまたはパプリカを加えて仕上げたさっぱりした風味が特徴。
生野菜のサラダに適しています。

イタリアンドレッシング

フレンチドレッシングに似たタイプですが、ワインビネガーで風味をつけたり、オニオンやガーリックなどの香辛料をきかせているのが特徴。
生野菜や肉料理に合います。

サウザンアイランドドレッシング

マヨネーズをベースに、細かく刻んだ野菜やピクルス、トマトケチャップを加えた色の美しい甘味のあるドレッシング。
生野菜やゆでた野菜、マカロニ、蒸した魚や鶏肉に合います。

シーザーサラダドレッシング

チーズ、アンチョビー、ガーリックの風味を特徴とする、乳化液状のドレッシングです。
レタスなどの生野菜によく合います。

コールスロードレッシング

細かく刻んだ生キャベツ用の、甘味と酸味が強く、スパイスをきかせたドレッシング。
マヨネーズタイプのものと乳化液状ドレッシングの2種類があります。

ドレッシングタイプ調味料

食用植物油脂を原材料として使用していないいわゆるノンオイルドレッシングです。
生野菜、ゆで野菜、海藻などの調味料としてドレッシングと同じように使用されます。

ドレッシング類と健康

必須脂肪酸を含む植物油

植物性油脂、つまり植物油の中には、リノール酸、α-リノレン酸という体内では合成できない必須脂肪酸(高度不飽和脂肪酸=脂肪酸の中に二重結合が2個以上あるもの)を多量に含んでいます。

これらの高度 不飽和脂肪酸は、人間の健康維持のための栄養素として、欠くことのできない成分になっています。
その点、ドレッシングに使用される油は、いわゆるサラダ油であり、必須脂肪酸を多く含んでいます。

一般に食用植物油は、動物油脂に比べて、血清コレステロール値を下げる作用を持っているといわれます。
これは、植物油の中の必須脂肪酸などによるとされていますが、ドレッシングもこの食用植物油を主体にしているため、血清コレステロール値を低下させる働きがあるといわれています。(図-1、図-2参照)

食用油脂の血清コレステロールへの影響
マヨネーズ摂取前後の血清コレステロール変動値

疲労回復に役立つ醸造酢

体内に取り込まれた油は、小腸上部でリパーゼによって脂肪酸に分解されます。
それから体内に吸収されますが、腸液が弱酸性のときがもっとも分解が進みやすく、サラダ油と醸造酢をいっしょに食べると醸造酢が腸内を弱酸性にするので、脂肪の吸収を助けます。

また、激しい運動や筋肉労働をしたり、神経を使うと体内に老廃物が蓄積されますが、クエン酸や酢酸はこの老廃物をとり除く手助けをして、疲労回復を早める働きもあります。
いずれにしても気温が高くなると、たいていの人がすっぱいものをほしがります。
これは単に、酸味によるさわやかさを求めるだけだけでなく、疲労した体力を回復するために、体が自然にそのような物質を要求するからです。

たっぷり食べたいサラダ

ドレッシングの原料であるサラダ油や醸造酢が、健康に役立つことは前述のとおりですが、ドレッシングはそのまま単品として食べられることはなく、サラダのソースとして、サラダといっしょに食べるのがふつうです。

サラダのはじまりは、狩猟民族だった古代ヨーロッパ人たちが、野や山の薬草をひきちぎって、薬として食べたことからだといわれています。
それも、体が自然に求めるままに……。
その後のサラダの歴史をみても、肉食のヨーロッパ人によって世界に広められています。

肉とサラダ(おもに生野菜のサラダ)の関係は?
栄養学的にみると、肉は酸性、生野菜のサラダはアルカリ性です。
酸性の肉料理を食べたあと、アルカリ性のサラダをとると、体によいといわれています。

肉食の欧米人のサラダの食べ方は、まず量の多さに驚かされます。
もっとも、肉の量も多いのですが……。
肉を食べるときには、野菜もできるだけ多く食べるようにしましょう。
また、生野菜のサラダは、低カロリーで、ビタミンやミネラル を多く含んでいるので美容食として、大いにもりもりと食べたいものです。

ドレッシング(協会作成パンフレット)

当協会では、ドレッシングの歴史、生産・消費動向、製造方法、栄養と健康、容器や上手な取り扱い方など、ドレッシングの特長や魅力を紹介するパンフレット「ドレッシング(Dressing)」を作成しています。

ご活用いただければ幸いです。

ドレッシング(協会作成パンフレット)2018年10月刊行