大手マヨネーズ・ドレッシング業者による団体。協会概要、統計など

環境自主行動計画

当協会では、CO2の削減をはじめとする地球温暖化対策や、循環型社会の形成に向けたプラスチック製等の容器包装の3R(リデュース、リユース、リサイクル)等について、ドレッシング類の製造業界として自主的な行動計画を数次にわたり策定し、これらの取組を積極的に推進しています。

ドレッシング類産業における第4次環境自主行動計画

これまでの計画の実績と評価

当協会では、CO2削減と廃棄物の削減・再資源化を図るため、平成11年に初めて環境自主行動計画を策定し、会員企業はその取組を進めてきた。
平成22年には「京都議定書目標達成計画」(平成20年3月閣議決定、2008年度から2012年度までの5年間で我が国の温室効果ガス排出量を6%(1990年度比)削減するための計画)を踏まえ、第2次環境自主行動計画(2009~2012年度)を策定し、引き続きドレッシング類の製造に係るCO2削減等に取り組んできたところである。

第2次計画の目標年度である2012年度(平成24年度)の実績は、2011年(平成23年)3月の東日本大震災による原発事故の影響で電力のCO2排出係数が高まったこと等から、CO2排出量、CO2排出量原単位とも目標値を上回らざるを得なかったが、震災前の2010年度までには2012年度の目標値を下回っており、実質的には目標はほぼ達成されたと評価される。

項目 単位 2005年度
(基準年度)
2009 2010 2011
実績 目標
CO2排出量原単位 t-CO2/t 0.125 0.116 0.116 0.145 0.145 0.12
(100) (92.8) (92.8) (116.0) (116.0) (96.0)
CO2排出量 t-CO2 50,962 47,183 46,882 59,261 61,310 48,924
(100) (92.6) (92.0) (116.3) (120.3) (96.0)

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注:(1) CO2排出量原単位は、ドレッシング類の生産量単位当たりのCO2排出量で、クレジット調整前の原数値である。
  (2) 表中の( )内数値は、基準年度に対する比率。

低炭素社会実行計画の改定

近年、これまでに経験したことがない台風や洪水等の自然災害が世界各地で多発しており、その一因として地球温暖化が指摘されている。
今後とも、地球温暖化対策を進めていくことは産業界の社会的責務であり、当協会としても引き続きCO2削減に取り組むため、平成26年1月に2020年度を目標年度とする第3次自主行動計画-「低炭素社会実行計画」-を策定したところである。

今般、政府においては、2020年度以降のCO2削減について国としての約束草案作りが進められているが、その一環として産業界は2020年度以降についての自主的な実行計画の策定が求められている。
このため、昨年1月に策定した第3次自主行動計画-「低炭素社会実行計画」-に、新たに2030年度目標を盛り込んだ第4次自主行動計画を策定することとする。

2030年度の目標設定に当たっては、昨年策定した2020年度目標を一里塚とし、再生エネルギーの利用増大、BAT(ベスト・アベイラブル・テクノロジー)の導入等を前提として算定したものである。

1.計画期間

基準年度は2012年度とし、目標年度は2020年度及び2030年度とする。

2.CO2の削減目標

CO2排出量原単位は、2020年度は2012年度(基準年度)比で4.8%以上、2030年度は同17.9%以上の削減を目指す。
また、CO2排出量については、2020年度は2012年度(基準年度)比で8.7%減の56,000t-CO2 以下、2030年度は同21.2%減の48,000t-CO2 以下を目指すものとする。

項目 単位 2012年度
(基準年度)①
2020年度 ② 2030年度 ③ ②/① ③/①
CO2排出量原単位 t-CO2/t 0.145 0.138 0.119 ▲4.8% ▲17.9%
CO2排出量 t-CO2 61,310 56,000 48,000 ▲8.7% ▲21.2%

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3.CO2削減のための対策

これまで、ドレッシング類製造業界においては、CO2排出量の少ないガスや電力等への燃料転換や省エネルギー設備の導入等を進めてきた。

今後、消費者ニーズに対応した「おいしさ」や「健康」を訴求した加工度の高いドレッシング類製品の増加など製品構成の変化や高度な品質管理と安全確保のための設備の増強等が見込まれることから、CO2排出量の大幅な削減は容易でない面もあるが、機械・設備の更新時にその時点で導入可能なBAT(ベスト・アベイラブル・テクノロジー)を導入することを基本として、引き続き下記の対策を鋭意推進することにより、その達成を図っていくものとする。

① CO2排出量の少ない燃料への転換
  • 重油から都市ガスへ転換
  • GHP(ガスヒートポンプ)空調機の燃料転換(LPGから都市ガスへ)
② 省エネルギー設備の導入・改善
  • コージェネレーション設備の改善
  • 高効率設備の導入(LED照明、大型ポンプ、大型送風機等)
  • 高効率ボイラー、高効率トランスの導入
  • 空調制御装置の導入、デマンドコントロール設備の更新
  • 冷蔵庫入り口へのサーモシャッターの取付け
  • アンモニア仕様の冷凍機の導入
  • 人感センサーの設置
③ 製造設備・工程の改善
  • ボイラー、コンプレッサーの台数制御
  • 空調機の稼働制御システムの変更
  • 排熱の回収・再利用
  • 蒸気ドレン水の回収・再利用
  • 冷却塔設備の不要時停止
  • 設備洗浄頻度の見直し
  • 製造連続化の推進
  • 工場のスクラップ&ビルドによるエネルギー効率の改善
  • ボイラー効率のアップ、配管ロスの改善、負荷本体の保温等による熱効率の改善
  • 蒸気系統、空調機系統、空気圧縮・真空系統、冷却水系統の効率化
  • ドレーントラップの整備・更新
④ 管理その他省エネルギー対策の推進
  • 工場事務所照明の個別点灯化、通路照明の自動点・消灯
  • 不要時の照明・PCのこまめな消灯
  • 冷暖房機器の温度管理の徹底
  • エアコン室外機に水噴霧して効率アップ
  • エアー漏れ・蒸気洩れの防止、配管の断熱・保温対策
  • フォークリフトの電動化
  • ノー残業デーの実施
  • 設備の設定条件、運転時間等運転管理の見直し
  • 冷却管理温度の設定変更
  • 工場事務所の窓ガラスへの省エネルギーフィルムの添付
⑤ 物流部門における取組
  • モーダルシフトの推進、輸送ルート・回数等の効率化、積載率の向上、エコドライブの推進等。
⑥ 関係法令への適切な対応
  • 「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)、「地球温暖化対策の推進に関する法律」(温対法)等に適切に対応する。

廃棄物等の削減と再資源化

ドレッシング類の製造に伴って排出される廃棄物等の削減に引き続き努めるとともに、卵殻の土壌改良材等への利用、食品残さの肥料・飼料原料への利用等、廃棄物等の有効利用を進め、高度な再資源化率(95%以上)を維持する。

計画のフォローアップと見直し

当協会環境対策委員会は、本計画の進捗状況について毎年度フォローアップを行い、関係行政部局に報告する。

なお、政府のエネルギー基本計画等本計画のフレームワークが大きく変わった場合は、速やかに見直しを行うものとする。

マヨネーズ・ドレッシングの類業界の
容器包装3R等推進の為の第4次自主行動計画

容器包装の特性と当業界の取組

マヨネーズ・ドレッシング類の容器包装には、製品の特性上、安全かつ衛生的で、製品形状の保持のために十分な強度が必要であり、特に酸化防止のために酸素バリア性が求められる。
また、品質保持や食品ロスの削減のほか、容器包装に記載される食品表示情報の提供という重要な機能も有している。

一方、中身が利用された後は、容器包装は家庭用ごみなどの一般廃棄物として廃棄されるため、容器包装廃棄物の増加に伴い、循環型社会の形成に向けた容器包装の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進が求められている。

当協会会員各社はこれまで、容器包装リサイクル法制度に適切に対応するとともに、3次にわたる「容器包装の3R推進のための自主行動計画」を定め、本計画のもと会員各社は特に軽量化、薄肉化等によるリデュース(減量化)に重点的に取り組むとともに、第3次計画では新たに環境配慮設計指針を踏まえた取組の推進を図ってきている。

① 第1次自主行動計画

(基準年度:2004年度、目標年度:2010年度、平成19年7月策定)

② 第2次自主行動計画

(基準年度:2010年度、目標年度:2015年度、平成23年10月策定)

③ 第3次自主行動計画

(基準年度:2015年度、目標年度:2020年度、平成29年 9月策定)

第3次自主行動計画の概要と実績及び評価

計画の概要

① 計画期間   基準年度:2015年度、目標年度:2020年度

② 計画の概要

  1. 環境配慮設計指針
    容器包装の設計、製品製造、流通・販売、廃棄・リサイクルの各段階までを考慮した環境配慮設計を行い、その取組の推進を図る。
  2. リデュースの推進
    プラスチック容器包装の原単位を基準年度に対し、1%削減。
  3. リユース・リサイクル
    製品特性等からリユース等は見込めず、原材料搬入用の通い箱等のリユースの推進、サーマルリサイクルの助燃材の振り向け等

③ 実績

  1. 環境配慮設計指針
    多くの会員会社が、独自の指針等を踏まえて、製品特性や会社の実情等に応じて、容器包装段階(安全衛生と品質保持、バイオマス等素材、簡素化、輸送効率配慮、高機能材、段ボール再利用)、製造段階(使用エネルギー減、賞味期限延長)、流通・販売段階(輸送効率向上、共同配送等)、廃棄・リサイクル段階(リサイクル適性の向上、分かりやすい表示等)の具体的な取組を実施した。
  2. リデュースの推進
    原単位は、73.3g/㎏(2015年度)から85.2g/kg(2020年度)に16.1%増加。
  3. リユース・リサイクル
    多くの会員会社ではリユースやリサイクルの対応は引き続き困難であったが、一部で通い箱のリユースやバイオマス原材料の導入が図られた。
評価

① 環境配慮設計指針を踏まえた取組については、第3次計画から新たに掲げられた事項であるが、容器包装に求められ機能や役割、対応すべき課題が多方面に及ぶなかで、各会員が各々の製品特性を踏まえた安全衛生面・機能面等を確保の上で、重点的若しくは実施可能な取組事項を設定の上で推進が図られた。

② リデュース等の取組については、既存製品のリニューアル、新製品の上市時等に容器包装の材質、形状等の見直しによる薄肉化や大容量化等が一部で図られる一方で、小容量化・小型包装化、品質保持や開封容易性への一層の配慮、CO2排出削減や軽量化に資する瓶容器からプラスチック容器への移行等が、現計画期間中にかなり進展したこと等から、結果として原単位は大幅に増加せざるを得なかった。

③ この背景としては、少子高齢化が一層進行するなか、世帯人員の減少、単身世帯や高齢世帯の増加、食の外部化等による家庭での消費単位の小口化や個食化、簡便調理志向、食品ロスの削減や賞味期限の延長への対応、持ち運びや開封・廃棄の容易さへの対応など、様々なニーズや要請に対して、多角的な観点から対応策を検討して実施することにより、環境配慮設計指針を踏まえた取組では一定の進展が図られたものの、軽量化、薄肉化によるプラスチック総量の削減と原単位の縮減には一定の限度があることなどがあげられる。

第4次自主行動計画(2021年度~2025年度)

① 容器包装の3Rの推進を巡る情勢は、 政府のプラスチック資源循環戦略やプラスチック資源循環促進法(令和3年6月成立)等を踏まえて、リデュース、リユース・リサイクルの一層の推進に加えて、再生材やバイオマス等プラスチックの一層の活用(「Renewable」)、製造事業者等による環境配慮型の製品設計や自主回収等の推進が一層求められている。

② これらの社会・経済環境の変化に対応していくことは、マヨネーズ・ドレッシング類の容器包装に求められる諸要件やこれまでの取組を踏まえると、現状では困難な課題もあるが、その緊要性を踏まえて、引き続き取り組むこととして、新たに2025年度を目標とする第4次行動計画を策定する。

③ 今後は、従来の3Rの取組に加えて、環境配慮設計指針の考え方を一層重視して、素材メーカーや包材メーカーなど関係者の連携による更なる技術レベルの向上、製品のロス削減や物流過程等を含めた製品のライフサイクルのトータルな環境負荷低減、バイオマスプラスチックの活用など「Renewable」(リニューアブル)の観点からの取組が重要である。

④ 新たな計画のもと、目標の達成に向けて会員各社が具体的な方針や取組の内容等を見定めて一丸となって取り組んでいくとともに、会員間の情報共有等にも協力して取り組んでいくこととする。

⑤ また、取組の進捗状況については、毎年度点検していくものとする。

⑥ さらに、今後、プラスチック資源循環施策等を巡る情勢が大きく変化する場合には、必要に応じて、計画の一部見直しも検討できることとする。

環境配慮設計指針

会員各社は、容器包装の設計段階から使用後の廃棄・リサイクル段階までを考慮した環境配慮設計を行い、その具体的取組の推進を図る。

  1. 容器包装設計段階【素材、包材メーカーとの連携】

    ① 中身製品の安全衛生及び品質保持を最優先に考慮

    ② 消費者の利便性に十分配慮(簡素化、簡便化、開封・破棄・減容の容易化)

    ③ 低環境負荷素材(バイオマス素材、生分解性材料、他の代替素材等)の活用

    ④ 輸送効率等を考慮した容器の外形設計

    ⑤ 輸送効率等を考慮した容器の外形設計

    ⑥ 製品輸送時の段ボールの再利用

  2. 製品の製造段階

    ① 生産効率の向上や低環境負荷熱源の使用による使用エネルギーの削減

    ② 賞味期限の延長(ロス削減)

    ③ 廃棄物削減と有効利用

  3. 流通・販売段階

    ① 輸送効率の向上

    ② 共同配送の推進

    ③ モーダルシフトの推進

    ④ 収集・運搬の容易化

  4. 使用後の容器包装の廃棄・リサイクル段階

    ① リサイクル適性の向上(単一素材化、易減容化、易分別・分解化)

    ② 分りやすい表示やデザイン(中身製品の廃棄ロス削減のための分かりやすい保存方法の説明(例:「マヨネーズは、さかさまにして使いきりましょう」)や、廃棄・分解時の分別や分解の仕方の分かりやすい説明等の情報提供)

リデュースの推進

環境配慮設計指針のもとに、包材メーカー等と連携して技術開発を進め、リデュースに取り組む。

【基準年度】2020年度
【目標年度】2025年度
【目  標】マヨネーズ・ドレッシング類に係るプラスチック容器包装の原単位を基準年度に対し、1%削減する。

リユースについて

マヨネーズ・ドレッシング類のプラスチック容器包装については、製品の特性上、衛生面等からリユースや詰替え容器の導入は見込めない。
一方、製造工場への原材料の搬入に用いられる容器包装等については、通い箱等の利用によりリユースが可能であることも考えられることから、リユースを推進していくこととする。

リサイクルについて

マヨネーズ・ドレッシング類のプラスチック容器包装については、リデユースやリユースに優先的に取り組んだ上で、これに依り難い場合として、サーマルリサイクルが最も適切であると考えられる。
このため、リサイクル適合物として分別することなく、一般ごみとして収集し、サーマルリサイクルのいわば助燃材として振り向けられることで熱回収の形で活用されることを期待している。

リニューアブルについて

バイオマスプラスチックは低環境負荷材として、素材の品質や価格面等からみて課題はあるが一部で導入が図られつつあり、今後、取組状況を把握していくこととする。